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住宅に関する贈与税の非課税の特例

  • 文責:代表 税理士 西尾有司
  • 最終更新日:2023年11月1日

1 贈与税の非課税の特例

贈与税の非課税の特例には、様々なものがあります。

このような非課税の特例をうまく利用することで、贈与税の負担を大きく軽減することができる可能性があります。

ここでは、贈与税の非課税の特例の具体例として、住宅に関する非課税の特例を説明したいと思います。

2 配偶者からの贈与の場合

配偶者から、居住用不動産やその敷地の贈与を受けた場合には、一定額までは贈与税が非課税となります。

居住用不動産やその敷地を取得するための資金の贈与を受けた場合にも、この非課税の特例を利用することができます。

居住用不動産の贈与の特例を受けるための要件は、以下のとおりです。

① 婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与がなされたこと

② 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住用不動産に現実に住んでいること

③ その後も引き続き居住用不動産に住む見込みであること

非課税となる贈与の額は2000万円までです。

年間110万円の贈与税の基礎控除に加えて、この2000万円の非課税枠を用いることができます。

3 父母や祖父母からの贈与の場合

父母や祖父母から、住宅やその敷地を購入するための資金や、住宅を建築するための費用の資金を受けた場合には、一定額までは贈与税が非課税となります。

住宅を増改築する場合にも、同様の非課税の特例を用いることができます。

ただし、配偶者からの贈与と異なり、父母や祖父母から、資金ではなく住宅やその敷地そのものの贈与を受けた場合には、この非課税特例を用いることはできませんので、注意が必要です。

住宅取得資金等の贈与の特例を受けるための要件は、以下のとおりです。

① 住宅の登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡未満であること

② 父母や祖父母からの贈与であること

③ 贈与がなされた年の1月1日時点で18歳以上であること

④ 贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること

※ 住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額が1000万円以下であること

⑤ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅を取得すること

⑥ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅に居住することまたは住宅に居住することが確実であると見込まれること

非課税となる贈与の金額は、省エネ等住宅の場合は1000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までです。

年間110万円の贈与税の基礎控除に加えて、この1000万円または500万円の非課税枠を用いることができます。

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